肩書きは、私の未来への指針から生まれた造語です。
世界観を、建築のように「言語化→構造→設計→デザイン」の順で組み立てています。
最初からデザインに入らないデザイナー。それが私の強みで、変わらないスタンスです。
このプロフィールでは、私がなぜWebの仕事を始め、どんな違和感や選択を経て、今の仕事のかたちにたどり着いたのかを、順を追って書いています。
少し長いかもしれません。
でも、もし途中で「これは私の話かもしれない」と感じるところがあれば、そこだけ受け取ってもらえたら嬉しいです。
原点|構造が気になった、20代の頃
私がWebに触れたのは20代前半。
インターネットが、ようやく世の中に普及しはじめた頃でした。
私はWebを「見た目」ではなく、「構造」として整えることに惹かれてきました。
一家に1台パソコンがあるのが当たり前ではなかった時代、初めて目にしたYahooの画面に、私は強い衝撃を受けました。

デザインもきれいでしたが、情報処理科を卒業していた私が気になったのは、見た目ではありません。
「この情報は、どうやって作られているのだろう?」自然と、裏側の構造に目が向いていました。
そこからHTMLを調べはじめ、Webをデザインではなく、情報の構造として見るようになります。
当時は、女性がパソコンやプログラムに関わること自体、ほとんど話題にもならない時代。
それでも、HTMLを読み解く時間は、楽しくて仕方がありませんでした。
今振り返ると、18歳で初めてパソコンに触れ、20代のうちからインターネットと構造に向き合っていた自分は、まるで今の時代を予祝していたようにも思えます。
当時は、HTMLをひとつひとつ手で打ち込みながらページを組み立てていくのが当たり前の時代でした。そこからCGI、Movable Type、PHPと、Webの現場が変わっていく流れを体感しながら、WordPressへ。私はブロックエディタが標準になる前の、クラシックエディタの時代からWordPressに関わっています。
そしてこれまで、法人サイトとECサイトを合わせて合計100クライアント以上の制作・運用に携わってきました。
特にECは、見た目を整えるだけでは成立しません。導線、商品設計、更新の仕組みまで含めて「売上が動くところ」まで設計する必要があります。私はその領域まで含めて、現場で積み上げてきました。
だから今の私は、見た目ではなく「続いていく構造」を整えることを仕事にしています。
分岐点|Webが「仕事」になった瞬間
私がWebの仕事が人の役に立つと実感したのは、最初に自分のサイトを作ったことがきっかけでした。
そのサイトを周囲に伝えていくうちに、「作ってほしい」と声をかけてもらうようになり、少しずつ仕事へとつながっていきました。
当時、多くの人が困っていたのは、デザイン以前の部分でした。
どうやって作ればいいのかわからない。
何を載せればいいのかわからない。
そもそも、ホームページって何なのかがわからない。
私は、そこを一緒に整理していきました。
情報を並べ、役割を分け、見る人が迷わない形に整えていく。
その結果、「わかりやすい」「整理されている」と言ってもらえるようになりました。
そのとき、心の中に生まれた感覚があります。
ワクワクする。そして、「これが人に関われる仕事なんだ」と。
この経験を通して、私の中で仕事の見え方が大きく変わりました。
Webデザイナーは、作る人ではない。
土台を整える人。
見た目の前に、構造がある。
この考え方は、何十年経っても変わらない、私の指針です。
違和感|かっこいいだけでは足りなかった
Webの仕事を続ける中で、正直、うまくいかなかったと感じることもありました。
それは、お客様が本当に伝えたいことを、うまく引き出せなかったときです。
「かっこいいデザインにしてほしい」
「売上が上がるサイトにしてほしい」
そういった依頼をいただくたびに、私はどこか苦しさを感じていました。
なぜなら、この二つは、私のようなWebデザイナーの力だけではできないからです。
かっこいいサイトを作ることは、できます。
でもそれは、お客様の考えや思考が整理され、
言葉として宿っていなければ、ただの「見た目」になってしまう。
私は、「その人の中にあるものが、きちんと反映されたサイト」を作りたかったのです。
この違和感は、自分がどんな仕事をしたいのか、何を大切にしたいのかを見つめ直すきっかけになりました。
選択|一度離れて、戻ってきた理由
それでも私がWebの仕事をやめなかった理由は、とてもシンプルです。
楽しかったから。
これが、好きだったから。
ただ、一度だけ、Web業界から離れた時期があります。
当時は、Webデザイナー自体がまだ少ない時代。
実績を積み、制作会社に入らなければ評価されない空気がありました。
実際にWeb制作会社に入ると、残業は当たり前、深夜0時を過ぎるのも当たり前。
収入は大きく増え、かなり稼ぎました。
けれど、その代わりに、体調を崩しました。
「これ以上はできない」そう思い、自分の健康を最優先する決断をします。

仕事が嫌になったわけではありません。
ただ、このやり方では、続けられないと感じたのです。
それから、これから先も仕事を続けるために、自分にできることは何なのかを、改めて考えました。
そして行き着いた答えが、やはり「Webに関わること」でした。
私は、10年ぶりにWeb業界へ戻り、個人事業主として、もう一度この仕事を選びました。
空白の10年で、何をしていたのか
実はこの10年間、私はIT業界に身を置き、Excelデータを分析し、プレゼンテーション資料を作る仕事をしていました。
数字や情報をそのまま並べるのではなく、「何が言いたいのか」「どこを見れば判断できるのか」を整理し、構造として伝える仕事です。
この経験を通して、情報は、整えなければ伝わらない。構造がなければ、理解も判断もできない。そのことを、何度も体感しました。
だからこそ今、Webに戻ってきた私は、見た目以上に「土台」や「構造」に強くこだわっているのだと思います。
Web Architecture Designer(ウェブアーキテクチャーデザイナー)とは
これは、私自身が考えた造語です。
一般的なウェブデザイナーが、インテリアコーディネーターのように、「見た目」や「装飾」から入る仕事だとしたら、ウェブアーキテクチャーデザイナーは、まず 土台・柱・間取り を整えるところから始めます。

役割|見た目を飾る人ではなく、「土台を整える人」
建築家が、「こんな家に住みたい」という漠然としたイメージをヒアリングし、設計図に落とし込んでいくように、私は、クライアントの話をじっくり聞き、情報を整理し、役割を分け、見る人が迷わない構造を設計します。
デザインは、そのあとです。
素材|情報の構造と「言葉」
家を建てるには、建材が必要です。
柱や壁、床といった要素が組み合わさり、はじめて空間が生まれます。
ウェブサイトにおける建材は、その人の思いや価値観を言語化した「言葉」や「コンテンツ」 です。
それらをどう配置し、どうつなぎ、どこに導くのか。
その設計図こそが、情報の構造だと考えています。
ゴール|その人そのものの「世界観」を建てること
私は、流行のデザインをそのまま当てはめるような、「似合わない服を着せる」サイトは作りません。
建築で言えば、住む人のライフスタイルや価値観が反映されていない家は、ただの空っぽな「側(がわ)」に過ぎないからです。
ウェブアーキテクチャーデザイナーの仕事は、その人が何を大切にし、どんな言葉で人と関わりたいのかという世界観を、ウェブサイトという有形の建築物に翻訳すること。
それが、私の考えるゴールです。
軸|世界観という考え方
今の私が、この仕事で「これだけは絶対に外さない」と決めている軸があります。
それは、世界観です。
私が考える世界観とは、デザインの雰囲気や、表面的なブランディングのことではありません。
その人が何を思い、
何を大切にし、
どんな言葉で人と関わりたいのか。
その人そのものの思いを、構造として、コンテンツとして表したもの。
それが、私にとっての世界観です。

世界観が整えば、その人が何を考えているのか、何を伝えたいのかが、自然と見えてきます。
だから私は、いきなりデザインを作ることはしません。
まず、思いを整理し、言葉と構造を整えるところから始めます。
世界観は「点」ではなく「線」でできている
世界観を考える上で、私がとても大切にしていることがあります。
それは、世界観は「点」ではなく「線」でできている、ということです。
たとえば、
- ホームページはこのデザイン
- Instagramはこの雰囲気
- ブログはまた別のトーン
それぞれをバラバラに考えてしまうと、世界観は一気に崩れてしまいます。一つひとつは素敵でも、それらが「点」として存在しているだけでは、見る人の中で、同じ人として認識されません。
でも、それぞれに役割や意図を持たせてデザインすると、それらは「線」としてつながり始めます。すると、どのプラットフォームから触れても、「この人だ」と自然にわかるようになる。
私は、世界観とは統一することではなく、意図をもってつなげることだと考えています。だから、ホームページ、SNS、ブログを別々に作ることはしません。
すべてを、ひとつの軸から派生した構造として設計します。
届けたい人|発信の前で立ち止まっているあなたへ
私がこの仕事を通して、本当に届けたいと思っているのは、
どうやって自分をWeb上で伝えていけばいいのか、わからなくなっている人です。
何を発信すればいいのか。
どんな言葉を選べばいいのか。
そもそも、どこを軸にすればいいのか。
そんなふうに、発信の前で立ち止まっている人。
Web制作会社時代、さまざまなジャンルのサイト制作に関わってきたからこそ、私は「この人には、この形」という視点で向き合うことができます。
決まった型に当てはめることはしません。
だから、同じデザインが生まれることはありません。
生まれるのは、その人の思いや考えがきちんと反映された、唯一無二の表現です。
人となり|私が大切にしていること
自分で「ちょっとめんどくさい性格だな」と思うところがあります。
それは、整っていない情報を前にすると、放っておけなくなるところです。考えが散らかっている状態や、言葉になっていない思いを見ると、どう整理すれば伝わるかを考えてしまう。
だから私は、AIも「答えを出す道具」ではなく、思考を整理するための相棒として使っています。
そして、もうひとつ。
この仕事をする上で、大切にしている価値観があります。
たとえお客様が「このサイトのようなデザインにしたい」とサンプルを持ってきてくださったとしても、それが、その人に合わないと感じたときは、私は「No」と伝えます。
それは否定ではありません。
その人自身の世界観を大切にしたいからです。
似合わない服を着せるようなWebは、作りたくない。
私は、そう思っています。

おわりに
だから私は、デザインを作る前に、思いを整理するところから、Webに関わっています。
この考え方に、少しでも共鳴するところがあれば、きっと、いい関係が築けると思っています。
FAQ
- WebデザイナーとWeb Architecture Designerの違いは何ですか?
-
私は、見た目を作る前に、思いや情報を整理し、構造を整えることを重視しています。Web Architecture Designerは、その土台を設計する役割だと考えています。
- 世界観とは、ブランディングのことですか?
-
私が考える世界観は、表面的なブランディングではなく、その人自身の思いや価値観を、言葉と構造として整理したものです。


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