内部リンクは「SEO対策」ではない

内部リンクとは迷わず買い物できる設計

内部リンクという言葉を聞くと、「SEO対策」「検索順位を上げるためのもの」そんなイメージを持つ人は、今でも多いかもしれません。

実際、「内部リンクを増やすと評価が上がる」という話は、長く語られてきました。

たしかに、内部リンクはSEOにも関係します。
でも、Webデザイナーとしてサイトを設計していると、それだけでは説明できない違和感を感じることがあります。

  • 内部リンクを増やしているのに、なぜか回遊されない。
  • 記事は読まれているのに、次に進んでもらえない。

その原因は、SEOの知識不足ではなく、内部リンクを、「人の行動」として設計していないこと。

この記事では、内部リンクを「SEO対策」から切り離し、訪問者が迷わず歩けるための分岐点として捉え直します。

なお、AI時代においてSEOを「作業」ではなく「構造」として捉える全体像については、以下の記事で整理しています。

目次

内部リンク=SEO対策、という誤解

内部リンクがSEO対策だと思われやすい理由は、「検索エンジン向けの最適化」という言葉が一人歩きしてきたからでしょう。

その結果、こんな状態がよく見られます。

  • 記事の最後に関連記事を大量に並べる
  • すべての記事から、すべての記事へリンクする
  • 「全部読んでほしい」という気持ちが先に立つ

一見、親切そうに見えますが、訪問者の立場に立つと、どうでしょうか。

選択肢が多すぎて、選べない。

これは、内部リンクが「案内」ではなく放置になっている状態です。

内部リンクとは何?

ここで一度、内部リンクについて簡単に整理しておきます。
内部リンクとは、自分のブログやサイトの中で、記事同士をつなぐリンクのことです。

たとえば、

  • この記事の途中から、関連する別の記事へ移動できる
  • 記事の最後に「次に読むおすすめ記事」が表示される

このようなリンクが、内部リンクです。

内部リンクの役割は、とてもシンプル

内部リンクの役割は、それほど難しいものではなく、大きく分けて、次の2つ。

  • 読者が、自然に次の記事へ進めるようにする
  • 検索エンジンに、記事同士の関係性を伝える

内部リンクは「テクニック」ではなく「道づくり」

SEOという言葉が出てくると、どうしても難しく感じてしまうかもしれません。

でも、内部リンクはテクニックというよりも、「ブログの中に道をつくること」に近い考え方です。ナビゲーションが「全体の道しるべ」だとしたら、内部リンクは道の途中にある分岐点。次にどこへ進めばいいかを、そっと示してあげる役割を持っています。

放置された内部リンクが、迷いを生む

問題になるのは、

  • とにかくリンクを貼る
  • 関連していそうだから並べる
  • 数が多いほど親切だと思ってしまう

こうして、案内のつもりで置いた内部リンクが、実は放置になっている状態です。道があっても、分岐点に案内がなければ、人は立ち止まってしまいます。

内部リンクは「ショッピングモールの歩きやすさ」と同じ

内部リンクを考えるとき、私の中でいちばんしっくりくるのはショッピングモールのイメージです。
ショッピングモールでは、

STEP
目的行きたいお店がだいたい決まっていて
STEP
なんとなくフロアを歩きながら
STEP
「あ、ここも見てみようかな」と立ち寄る

そんな行動が、自然に起きます。
これは、店がうまく並び、道が分かりやすく設計されているからです。

迷わないモールは「考えさせない」

買い物しやすいショッピングモールには、共通点があり、

  • 今どのフロアにいるか分かる
  • 近くにどんな店があるか見える
  • 次にどこへ行けばいいか、なんとなく分かる

つまり、「次どうする?」を考え込まなくていい。これが、内部リンクがうまく機能しているサイトの状態ととてもよく似ています。

店が多すぎると、なぜ疲れるのか

一方で、

店はたくさんあるのに、フロア構成が分かりにくく、案内も少ない

そんなショッピングモールでは、歩いているだけで疲れてしまいます。

結果、

何も買わずに帰る。「また今度でいいや」となる。

これは、内部リンクを貼りすぎたサイトと同じであり、

  • 関連記事がずらっと並んでいる
  • どれも同じように見える
  • どこから読めばいいか分からない

選べない状態は、迷っている状態。

内部リンクは「次に進める売り場」を示すもの

良いショッピングモールでは、

POINT
目的今見ている売り場の近くに
POINT
な関連する売り場が配置され
POINT
無理なく次へ進める

そんな動線がつくられています。
内部リンクも同じであり、

  • 今読んでいる内容に近い
  • 次に知ると理解が深まる
  • 「このあと、これを読むといいですよ」とそっと示してくれる

内部リンクは、次に進める売り場を用意する設計です。

「全部見せる」は、親切ではない

ショッピングモールでも、

  • 全部の店を一気に見せられる
  • どこも同じようにおすすめされる

そんな状態だったら、かえって選びづらくなるはずです。

サイトも同じで、

  • 全部関連記事
  • 全部おすすめ

親切そうに見えて、実は放置に近い状態です。

内部リンクは、歩きやすさをつくる設計

内部リンクの役割は、

読者を誘導することではなく、読者が自分で選びながら進める状態をつくること

ショッピングモールの中を気持ちよく歩けるかどうか。

その感覚を、ブログやサイトの中で再現することが、
内部リンク設計です。

ここまでできて、はじめて内部リンクはSEOに効いてくる

ここまでの話を踏まえると、内部リンクがSEOに効いてくる理由は、とてもシンプルです。

内部リンクは、検索エンジンのために貼るものではなく、読者が迷わず次の記事へ進める状態をつくった結果として、
SEOにも良い影響が出てくる。

それだけです。

内部リンクが整うと、サイトの中で起きること

分岐点としての内部リンクが機能しはじめると、サイトの中では、こんな変化が起きます。

  • 関連する記事が、自然な順番で読まれる
  • 1記事で終わらず、複数ページを回遊してもらえる
  • 「このサイトはテーマがはっきりしている」と伝わる

これはすべて、検索エンジンが評価しやすい状態でもあります。

SEOは「評価してもらう工夫」ではなく「理解してもらう構造」

検索エンジンが見ているのは、リンクの数そのものではなく、

  • この記事とこの記事は、どういう関係なのか
  • このサイトは、何について書いているのか
  • 情報がどんな順番で整理されているのか

内部リンクが分岐点として設計されていると、こうした関係性が、自然に伝わります。だからこそ、結果としてSEOにも効いてくるのです。

先にSEOを考えると、分岐点はつくれない

逆に、

  • SEOのためにリンクを貼る
  • 評価を上げるために数を増やす

という発想から始めてしまうと、分岐点はつくれません。それは、人のためではなく、検索エンジンだけを考えた配置になってしまうため。検索エンジンに評価されるということは、読み手にも評価されることと同じなのです。

内部リンクがSEOに効く順番

私が考えている順番は、いつも同じです。

  • 読者が迷わず進める分岐点をつくる
  • 記事同士の関係性が自然につながる
  • 結果として、検索エンジンにも伝わる

SEOは、最後に「ついてくるもの」。

内部リンクは、そのための近道ではなく、土台そのものです。

私が内部リンク設計で必ず考えていること

内部リンクを設計するとき、私が必ず考えているのは、「今、この人はどこを歩いているか」です。

  • 初めて来た人なのか
  • すでに理解が進んでいる人なのか
  • 判断を迷っている人なのか

その状態によって、出すべき分岐は変わり。

  • 次に知ると安心できる情報
  • 今は見せなくていい情報

内部リンクは、情報整理ではなく、意思表示。「ここまで来た人には、次はこれを知ってほしい」という設計者の判断です。

SNSや無料ブログでは、内部リンクが弱くなる理由

SNSや無料ブログでは、内部リンクの力を発揮しにくい構造があります。

SNS

  • 投稿が流れていく
  • 基本は単発の情報

無料ブログ

  • 時系列が中心
  • 記事同士の関係性を構造として示しづらい

結果として、記事が点で終わり、回遊が生まれにくい という状態になります。

だからこそ、構造を設計できる独自ドメインのホームページが拠点になります。

AIとの向き合い方|内部リンクはAIが得意な領域

AIは、

  • 記事同士の関連性を洗い出す
  • グルーピングする
  • 抜けや重なりに気づく

といった作業が得意であり、内部リンク設計の下準備としては、とても優秀。

ただし、

人の判断役割が必要

  • どの分岐を出すか
  • どこは今は見せないか

ショッピングモールの店の並びを最終的に決めるのが人であるように、内部リンクの最終判断も、人が行います。

まとめ|内部リンクは「迷わず歩けるショッピングモール」の設計

  • 内部リンクは、SEO対策のために数を増やすものではない
  • 内部リンクの役割は、読者が自然に次へ進める分岐点をつくること
  • ショッピングモールが歩きやすいのは、店の並びと動線が考えられているから
  • 内部リンクも同じで、今読んでいる内容に近い情報を、次の売り場として示す
  • 「全部おすすめ」は親切ではなく、かえって迷いを生む
  • 読者が迷わず選べる状態が整った結果として、SEOにも良い影響が出てくる

内部リンクとは、検索エンジンのための装置ではなく、読者が気持ちよく歩き、自然に次へ進めるための設計です。

ショッピングモールの中を歩くように、考えなくても進める。迷わず選べる。

その状態をつくることが、内部リンク設計の本質だと、私は考えています。

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この記事を書いた人

福本 マキのアバター 福本 マキ Web Architecture Designer (世界観を構造として設計する)

肩書きは私の未来への指針から生まれた造語。 世界観を、建築みたいに「言語化→構造→設計→デザイン」で組み立ててます。 最初からデザインに入らないデザイナー。 それが私の強みで、変わらない想いです。

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