ターゲットとペルソナは、役割が違う

ターゲットは範囲 ペルソナは判断の視点

マーケティングや発信の話になると、必ず出てくる言葉があります。

それが「ターゲット」と「ペルソナ」

多くの人が、この2つを「決めなければいけないもの」「最初に固めるもの」だと考えています。

けれど実際には、ここでつまずいてしまい、考えが止まってしまう人がとても多い。

この記事では、Webデザイナーの視点から、ターゲットとペルソナの役割の違いを整理しながら、なぜ多くの人が「判断できなくなるのか」を構造として解きほぐしていきます。

目次

ターゲットとペルソナは、同じものではない

まず大前提として、ターゲットとペルソナは似ているようで、役割がまったく違います

ターゲット

どの範囲に向けて届けるか (市場・属性・広がり)

ペルソナ

誰の視点で判断するか(思考・感情・選択の基準)

この違いが整理されないまま、両方を一度に決めようとすると、思考は一気に重くなります。

なぜペルソナで思考が止まるのか

「ペルソナを決めましょう」と言われると、多くの人はこんな項目を埋めようとします。

  • 年齢
  • 性別
  • 職業
  • 年収
  • 家族構成

でも、これを埋めれば埋めるほど、「本当にこの人で合っているのか?」と迷い始めてしまう。これは能力の問題ではなく、ペルソナを「入口」に置いてしまっていることが原因です。

ネット上にある迷わせてしまう理由

起業コンサルタントやマーケティングを語る方の中には、
「まずはペルソナを決めましょう」
「ペルソナ設定が大切です」
と伝えている方も多くいます。

ただ、その一方で、「そもそもペルソナとは何なのか」という説明が省かれているケースも少なくありません。

その結果、ペルソナを「人物像として細かく決めなければいけないもの」と受け取ってしまい、何が正解なのか分からなくなってしまう人も多いのが現実です。

これは、理解力やセンスの問題ではなく、言葉の前提が共有されていない状態で、判断を求められているだけなのです。

Webデザイナーの視点では、ペルソナは「判断の視点」

Webデザイナーが設計するのは、文章や見た目だけではなく

  • どこで迷うか
  • どこで不安になるか
  • どこで判断するか

この判断の流れを設計しています。
そのときに必要なのが、「誰の判断を想定しているのか」という視点。

これが、ペルソナの本来の役割、ペルソナは「人物像」ではなく、判断の視点

最初は、人物として考えても構いません。
年齢や立場、置かれている状況を思い浮かべることで、イメージがしやすくなることもあるからです。
ただ、本当に大切なのはその先です。

その人が、

STEP
サイトの中をどのように歩くのか
STEP
どこで立ち止まり、何を見て、どう考えるのか
STEP
どんな順番で情報に触れ、サービスを選びにいくのか

この「道」が設計されていなければ、人は判断することができません。

ペルソナとは、「この人は誰か」ではなく、「この人は、どんな判断の道を通るのか」を考えるための視点なのです。

そうやって考えた方が、私にはいちばん分かりやすかったんです。

ペルソナを「人物像」として固めるよりも、その人がサイトの中をどう歩き、どんな順番で情報に触れ、どうやって判断していくのか。

その道を考えるほうが、設計としても、気持ちとしても、ずっとしっくりきました。

だから私は、ペルソナを「最初に決めるもの」ではなく、判断の視点として、最後に立ち戻るものとして扱っています。なので、最初に完璧に決める必要はないと今でも思っています。

ターゲットは「範囲」、ペルソナは「焦点」

ここで整理すると、役割は以下のように

ターゲット

どの範囲に届けるかを決める → 広さ・方向性

ペルソナ

どの視点で設計するかを決める → 焦点・判断基準

ターゲットは「入口の広さ」を決めるもの。
ペルソナは「出口の判断」を決めるもの。

この順番が逆になると、人は考えられなくなるのです。

だからこそ発信する上で「ペルソナの設定」が重要となっていきます。

女性がペルソナ設計で苦しくなりやすい理由

特に女性の場合、ペルソナ設計で苦しくなることが多く、それは、多くの女性が「自分がどうなりたいか」から考えるからです。

  • どんな状態なら安心できるか
  • どんな未来を望んでいるか
  • 自分の気持ちは置き去りにされていないか

そこに、専門用語や理論が一気に並ぶと、「難しい」「私には無理かも」と感じてしまう。これは理解力の問題ではなく、共感の順番が合っていないだけ。

ペルソナは「入口」ではなく「出口」に置く

Webデザイナーの思考設計では、ペルソナは最後に置くものです。

書きながら 作りながら 伝えながら

「この判断は、誰のためのものか?」を何度も問い直す。
そうして見えてきた視点が、結果としてのペルソナになります。

つまり、ペルソナは作るものではなく、浮かび上がるもの

これは、一般的に語られているマーケティング理論と大きく違う考え方ではありません。

変わるのは、「何を決めるか」ではなく、「どう整理していくか」という思考の順番だけです。最初から人物像を固めるのではなく、情報を整え、判断の流れを見つめていく中で、結果としてペルソナが浮かび上がってくる。

私は、そのプロセスのほうが無理がなく、迷いも少ないと感じています。

判断できない構造は、ここから生まれる

ターゲットとペルソナを混同すると、こんな状態が起きます。

  • 誰に向けているのか分からない
  • 書いているうちに軸がぶれる
  • 最後に「これでいいのか?」と不安になる

これは意志が弱いからではなく、判断の役割が整理されていない構造だからです。

Webデザイナーが考える順番

Webデザイナーの思考設計での順番は

  • ターゲットで「範囲」を決める
  • 情報を整えながら設計する
  • 判断の視点としてペルソナが浮かぶ
  • ペルソナを「出口」に置いて調整する

この順番なら、迷いは減り、判断は軽くなります。

まとめ

ターゲットとペルソナは、どちらが大事かではなく、役割が違うだけ。

  • ターゲットは、範囲
  • ペルソナは、判断の視点

ペルソナを最初に決めようとしなくていい。
考えながら、整えながら、最後に立ち戻ればいい。

それが、判断を尊重する設計です。

この記事を書いた人

福本 マキのアバター 福本 マキ Web Architecture Designer (世界観を構造として設計する)

肩書きは私の未来への指針から生まれた造語。 世界観を、建築みたいに「言語化→構造→設計→デザイン」で組み立ててます。 最初からデザインに入らないデザイナー。 それが私の強みで、変わらない想いです。

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