Webデザイナーはツールから仕事を始めない

Webデザイナーの仕事は作ることではない

Canva、AI、ノーコードツール、SNS運用ツール。
今は、少し調べるだけで、次々と新しいツールが目に入ってきます。

便利になった一方で、「どれを使えばいいのか分からない」「使いこなせていない気がする」そんな感覚を抱えている人も、増えているのではないでしょうか。

これは、これから発信を始めたい人だけの話ではありません。
すでに発信を続けている人、仕事としてWebに関わっている人にとっても、同じです。

では、Webデザイナーはどうしているのか。

実は、Webデザイナーはツール選びから仕事を始めているわけではありません。

目次

ツールに向かう前に、必ず考えていること

Web制作の現場で、最初に考えるのは「何を使うか」ではありません。
まず考えるのは、次の2つです。

  • このWebサイトは、どのような構造をしているのか
  • その構造を、どうすれば伝わりやすく設計できるのか

これは、私がWeb制作に関わり始めた頃から、一切変わっていない思考の順番です。
ツールは、そのあと。構造と目的が決まってから、初めて選ばれます。

Webデザイナーの仕事は「作ること」ではない

Webデザイナーというと、「デザインを作る人」「見た目を整える人」そう思われがちですが、実際の役割は少し違います。

Webデザイナーの本当の仕事は、情報を整理し、伝わる形に構造化することです。

見た目より先にあるもの

たとえば、こんなことを考えています。

  • 誰に向けたサイトなのか
  • どんな順番で情報を見せると理解しやすいのか
  • どこで迷いやすいのか
  • どこで判断が必要になるのか

これらを整理せずに、いきなりツールを開いても、うまくいかないのです。なぜなら、ツールは「考えたこと」を形にするための道具だからです。

私がLINE公式を使わない理由

集客をするなら、LINE公式。
そんな発信を見かけることが、ここ数年でとても増えました。

ですが、私はこれまで一度もLINE公式を使ったことがありません。それは、「集客=LINE公式」という考え方が、必ずしも成功する法則ではないと感じているからです。

たとえば、「LINE公式に300人集まった」という話を見かけることがあります。

一見、うまくいっているように見えますが、その中で本当に興味を持っている人は、何人いるのでしょうか。

実際に、新しくLINE公式を作り直して、改めて募集をしたところ、登録者が 3分の1にも満たなかった という事例を、私はこれまで何度も目にしてきました。

数字が大きく見えても、それがそのまま「関係性の濃さ」や「信頼」につながるとは限りません。

私の発信と、LINE公式の相性

私の場合、何か商品があって、それをセールスするために発信しているわけではありません。

また、Webの仕組みや構造、思考の話を扱うと、どうしても文章量が多くなり、LINE公式でそれを伝えようとすると、文字数の制限を、簡単に超えてしまいます。

さらに、LINE公式はアップデート(改定)によって、料金体系の変更や値上げが、比較的頻繁に行われています。

▼LINE公式アカウントの料金プラン

https://www.lycbiz.com/jp/service/line-official-account/plan

そうした点も含めて、今の私の発信スタイルとは、あまり相性がよくないと感じています。

決定的な違いは「目的」

そして、私が一番大きいと感じている違いがあります。

それは、LINE公式は「集客するためのツール」ではなく、「商品やサービスをPRするためのツール」だと考えていることです。

LINE公式は、もともとお店や実店舗向けの宣伝ツールとして作られた背景があります。

▼LINE公式の事例一覧

https://www.lycbiz.com/jp/case-study/?scale=store

そのため、過度なセールスや、使い方によっては、アカウント停止(いわゆる垢バン)のリスクが高まるのも、この思想から外れた使われ方をしているからではないか、私はそう考えています。

プラットフォームに依存しすぎることのリスクについては、こちらの記事でも触れています。

ツールを使う前に、必ず考えること

ツールを使う上で一番大切なのは、そのツールが、何の目的で作られているのかを理解すること

流行っているから使う。
みんながやっているから使う。

その前に、「このツールは、何をするためのものなのか?」を考える。

これは、Webデザイナーがツールを選ぶときに、必ず行っている思考と同じです。

「構造を先に考える」という話は、こちらの記事で、もう少し具体的に書いています。

構造が決まると、ツール選びは迷わなくなる

構造と目的がはっきりすると、ツール選びは驚くほどシンプルになります。

  • 表現の自由度が必要なら、このツール
  • 更新頻度が高いなら、この仕組み
  • チームで管理するなら、この構成

「流行っているから」「みんなが使っているから」という理由で選ばなくてよくなります。

これは、Web制作だけでなく、AIを使うときも同じです。

AIが登場しても、振り回されない理由

AIの登場で、「これからはAIが全部やってくれる」「もう人は考えなくていい」そんな声も聞こえてきます。

でも実際は、逆です。
AIがどれだけ進化しても、何を作るのか、何を伝えるのかを決めるのは人間

構造や目的が曖昧なままAIを使うと、それらしいものは出てきますが、「伝わるもの」にはなりません。

だからこそ、WebデザイナーはAIが登場しても、振り回されません。
考える順番が、昔から変わっていないからです。

SNSやAIは「入口」にすぎない

SNSもAIも、とても優秀なツールです。
でも、それ自体が主役ではありません。

主役は、どんな構造で、何を伝えたいのかという思考

ツールは、その思考を形にするための入口にすぎません。

順番を間違えなければ、ツールは強力な味方になります。

まとめ|Webアーキテクチャー・デザイナーが最初にしていること

  • Webデザイナーは、ツールから仕事を始めていない
  • まず考えるのは「構造」と「伝わり方」
  • ツールは、目的と構造が決まってから選ぶ
  • この順番は、AI時代になっても変わらない
  • だからこそ、AIに振り回されず活かすことができる

ツールが増え続ける今、「どれを使えばいいか」で悩むのは、自然なことです。

でも、その前に立ち止まって、「何を伝えたいのか」「どんな構造なら伝わるのか」そこから考えてみてください。

それは、Webデザイナーだけの考え方ではありません。

これから発信していく人にとっても、AIと付き合っていく人にとっても、ずっと使い続けられる思考の土台になります。

この記事を書いた人

福本 マキのアバター 福本 マキ Web Architecture Designer (世界観を構造として設計する)

肩書きは私の未来への指針から生まれた造語。 世界観を、建築みたいに「言語化→構造→設計→デザイン」で組み立ててます。 最初からデザインに入らないデザイナー。 それが私の強みで、変わらない想いです。

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